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 15.March.2002

ダブリン 〜 バントリーまでのロングドライブ 〜 小さな村でセッション


レンタカーを借り、ダブリンで仕入れたトラッドのテープをガンガンかけながら、
西へ西へ、ロングドライブ。さすが・・景色と音楽が、見事にマッチ!


山間の湖を眺める愛介さんと娘。この直後、道を尋ねたおじさんが
「y,y,y,y,you w,w,w,w,will f,f,f,find」・・英語のドモリを初めて聞きました!

目指すは、「ウニおじさん」の待つウエストコーク。
アイルランド第二の都市コークをはじめ、沢山の小さな村を通り抜け、
美しい山岳地帯なんかも偶然通っちゃったりし、(迷ったとも言う)
廃墟評論家宜しく、廃墟が見える度に
「これは、ランクCの2ですねぇ。」などと評価し合ったり、
羊の群に「ベェェェェェェェ・・!」と大声で叫んで、羊が驚く反応を見て喜んだりしながら、

ポンコツマニュアルカーのドライブを楽しみました。



■■ アイルランド南西の端のバントリーについたのが、18時半。
まだまだ明るかったので、美しい海や家々の暖炉の煙突からの煙を見ることができ、
とても可愛らしい小さい漁村だなぁという印象を受けました。



早速湾岸を散策していると、徘徊犬に遭遇。
ずんぐりむっくりで、ウチの駄犬ナビにそっくりだったので、
「ナビ!」と呼んだら、尻尾をふってやって来ました。
そして、すぐさま「僕は、この群の一員です」というような素振りになり、
どこまでもついてくる・・
「どうしよう、これじゃホテルに帰れないね。」と私達が立ち止まると、
その犬も止まり、なんと、車道のど真ん中にデ〜ンと寝ころんでしまったのです。嘘でしょ?
もう、夢中で「ナビ!ナビ!」と呼んだけれど、今度は反応無し。もーっ、肝心な時に!
そうこうしているうちに車が来て、キキーッッッ、ドン・・
ところが、確かに車とぶつかったはずなのに、
何事も無かったようにスクッと立ち上がって、スタスタ歩く「バントリーナビ」ちゃん。


不死身のバントリーナビちゃん アイルランド人だけでなく、アイルランド犬も、のうてんき?!
ま、とにかく、ホッ。 ■■ さて、マーフィさんという愛介さんの知人が訪ねてきてくれ、一緒にパブへ。
すると、お客さん達が、あまり見かけない東洋人に興味津々の様子で、
早速寄ってきて質問攻撃。
「フレンドリーで、すぐに話しかけてくるよ」とは聞いていたのですが、
噂は本当です!!
おかげで、楽しいひとときを過ごさせて頂きました。



それから、いよいよ念願のシーフード料理。
生牡蠣、ムール貝、ホタテ、ドーバーソール、海老など・・
とーっても美味しいオーガニック野菜と共に、たらふく頂きました。至福。 ■■ 腹ごしらえの後は、セッションその2。
愛介さんの友人のジョン=通称「ウニおじさん」夫妻の案内で、隣町のパブへ。
ウニおじさんの友達が、セッション仲間をそこに集めてくれているとのこと! 先導の車を、ウニ奥さんが運転していたのですが、細い道を100km/h以上で、走る、走る、走る!
アイルランド人のスピード狂は噂に聞いていたことですが、それでも衝撃を受けました。
だって、真っ暗闇のゴツゴツ道よ〜。スリル満点。 パブは、またまた座れないほど超満員。
何なの、この国の人達は???
でも、ここのセッションは、昨日に比べたら緩い感じ。
これなら、なんとか加われそうです。


真剣な演奏の横で、世間話をするおばさま達。
自分の出来る曲のみ参加して、後はくつろぐ?!

夫と愛介さんは、すぐセッションの中へ。
私は、まず、例外なく話しかけてくれた人達の中に若者の集団がいたので、娘をそこへ連れていき、
「英会話修得のコツは、一人でこういう中に入って喋ること」と、置いてきました。
心配をよそに、振り返ってみた時は、すでに大盛り上がり。
子供は、慣れるのが本当に早い! 私も、ウニおじさん夫妻としばしトーク。
「英国ジョーク集」なんていう本を買い漁ったことがある私は、試しにジョークを一発・・
こちらの人々は、会話にウィットを欠かしませんからね。
そうしたら、案の定ウニおじさん夫妻が反応してくれ、あちらからもたっぷり。
おかげで、予想以上に会話が弾み、楽しかった〜。 ■■ さて、愛介さんが手招きをするので、私も楽器を取り出し、いよいよセッションの中へ。
まずは、日本の民謡を3人で。その後、皆と一緒にアイリッシュも。
うふっ、デビュ出来た・・ 昨日は「アイリッシュは絶対に無理」と思っていたのですが、
実際に中に入ってみると、知らない曲も、簡単なメロディの繰り返しなので、
二巡目くらいからなんとなく入れたし、ハモや、合いの手もOKのようでした。
アイリッシュトラッドって、このあたりが良く出来ているなぁと思いました。


様々な世代、様々なレベルの人が一堂に会して

初級者は、メロディをそのまま演奏するので十分。
中級者は、それを音楽的に表現し、装飾音などを付け、
昨夜の若者達のような上級者は、さらに高度な装飾と、様々なワザを見せつつ繰り返します。
そう、短くて素朴なメロディを、それなりの方法、それなりのレベルで楽しんでいるのです。
でも元が同じ曲ですから、一堂に会してセッションすることも可能なわけです。 こういう考え方って、いいと思いませんか?
家族揃って出来るし、世代や経験数を気にしないで誰とでも一緒に出来るし、
プロアマの垣根も無し!
音楽って、こうでなくちゃ!!


Low whistleを吹く、小柄な女性

指が届かず難しいと言われているLow Whistleも、
「手が小さくても、こうして小指を使えばいいのよ」と教えてくれました。
「ダメ」ということが一切無いように感じられた、アイリッシュセッション・・
皆が「許し合い、譲り合って」いるからなのでしょうね。
いいわぁ。ますますファンになりました。

会話もセッションもマーフィーズ(南部のスタウト)も十分堪能し、
午前3時解散。長い一日でした。