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venus1

2014_08/21 updated

私のオリンピック

オリンピックの年が明けると、私の胃痛が始まります。
「青空市」を開催しなければならないからです。
自分で勝手に始めたことなので、本当は「ねばらないこと」ではなく、
胃痛の原因になっているならやめてしまえばいいのに、やめないで続けているのは、
私にとって、青空市は「オリンピック」のような存在だからなのです。
誠実に、全力で向き合い、自分のなかにある全ての力を引っ張り出すことで、
感謝とか、達成感とか、本物の自信、のような良い感情が生まれてくると信じているのです。
ミイ・ラ・フォーレで歌っている「とぐら」という曲の歌詞に、
「帰ろう守ろう 僕の戦地を あの聖地を」というところがあるのですが、
まさに青空市は、(自分との)戦の場であり、私の聖地なのです。

勿論、自分のためだけにやっているわけではありません。
参加して下さる皆さんにとって「楽しい場所」であって欲しいし、
故郷のような「帰りたくなる場所」であって欲しいし、
新たな気持ちで「旅立っていく場所」であって欲しいし、
どうせやるなら、観客の方々の心を動かせるような内容にもしたい。
仲間の力も引き出したいし、本物の達成感や喜びを分かち合いたい。
もちろんのこと、愛も引き出したい。
と、回を重ねる毎に自分のハードルをあげてしまっているわけですが、
上を目指せば目指すほど学ぶことも多いので、よしとしています。


*青空市名物「旅立ち」の全員合奏。観覧席の方でも演奏してます。

その、半年かかって準備してきた青空市が無事に終わりました。
自分の出し物の準備や練習もあり、最後の数日は寝る間もなくフラフラ状態でしたが、
本当に困れば力って沸いてくるものです。
そうそう、炎天下の昼下がり、使用した機材全部(ピアノを含むキーボード4台、キーボードスタンド、
スピーカーセット、ミキサー、エフェクター、マイクスタンド4本、ケーブル類などなど)を
門~玄関(13段)~2階(13段)まで一人で運んだのですよ。
「私、まだ大丈夫だ!」という自信に繋がりました。
まあそれは余談ですが、「火事場の馬鹿力」を信じている私は、
大変な時ほど「猫の手でもいいから借りよう」と思わないで、自分を窮地に追い込んで力を引き出します。
よって、便利グッズは使わない、合理的にやらない、スタッフは最小限に。
まず「引く」ことから始め、あるものだけで「工夫」するようにします。
青空市にもこの戦略を適応しているのですが、6回目の今回、
ようやく、自分のやりたかった方法にほぼたどり着けました。
勿論、まだまだ改善点は沢山ありますが、進む方向は間違ってなかったと思えました。

例えば、たった15分で全ての機材の運搬・組立、セットという絶対無理と思えるようなことも、
綿密な計画と、全てのケーブルに印をつけておくなどの工夫、
さらに、わずか3人のスタッフに私が何を望んでいるかを伝えることで達成致しました。
的確な指示を与え過ぎると、思考停止しちゃいますからね、
自分がどう動けば良いかは、自分で考えて貰うようにします。
常に頭を回転させている人は、応用力もあるし、動作も機敏で、そして、何よりイキイキ楽しそうにやってくれますので、
人間力さえ引き出せば全て上手くいくと信じていたのですが、大正解でした。

もう一つ、青空市で心がけていることがあります。
それは「良い空気を作る」ことです。
これは、私の憧れの人の一人、指揮者のクラウディオ・アバドさんから学んだことです。
彼は細かい指示はしないで「素晴らしい演奏を楽しみにしているよ」と分かれる時にニッコリ笑うだけで、
団員に、帰ってから死物狂いで練習させちゃう人だったらしいですね。
「アバドのために、明日、もっと素晴らしい演奏をしよう!」と思わせちゃう存在。
そういうの、いいですよねー。
ふんわりまあるい空気のなかで、その人の「存在」自体が、人の良いところを引き出していくなんて、
いいなー、憧れちゃうなー。
というわけで、私も笑顔で「楽しみにしてます!」と言うに留めてみたのですが、
どのグループも真摯に向き合って下さっていて、とっても素敵でした。
少しは無言のプレッシャーをかけることが出来たのかしら?(笑)
そして、特筆すべきは、全員が「楽しかった」「また出たい」と言って下さったことです。
そういう場を作りたくて始めた私にとっては、何より嬉しい言葉でした。

他にも嬉しかったことは沢山あったのですが、全部書ききれないので、少しだけ紹介させて頂きます。

最後の「全員合奏」のためだけに、別の楽器を持ってきて下さっていた方が何人かおられました。
一瞬一瞬を大切にして下さっているのだなぁと思えて、幸せな気分になりました。

大変な思いで働いてくださった方ほど「任せて下さったこと、感謝しています」と言って下さいました。
人の為に働く喜びは格別!ってことでしょうか。同感!でした。

ネコさんが私が作ってお届けした楽譜を添削して持ってきて下さいました。
「もっと良くしてあげたい」気持ちを行動に起こす大切さを、いつも学ばせて頂いております。
私も、相手のためになる、と思えることはしっかり伝えるように努めてはいるのですが、
相手の弱点を指摘することにも繋がるので、エネルギー不足でめげてしまう時があります。
でも、事なかれ主義の優しさが増えてきた今日この頃、こういう思い遣りこそ大事だよなぁと思います。

「ああ困った」と思う度、あちらからもこちらかも手が差しのべられました。
御協力下さった全ての方々に、心から御礼申し上げます。

次は2年後、リオデジャネイロ・オリンピックの年に青空市7を開催する予定です。
10までやろうと決めているので、私のオリンピックは、あと4回ですかね。
8年後にようやく引退なのですね。がんばらねば。。。

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さて、青空市が終わってすぐから次の準備に入っております。
まずは、9月6日に開催する milly la foret の牧草ライブ「白露」



2014_9/6 (sat) open13:00 start13:30
北参道ストロボカフェ
詳細は、http://millylaforet.com/live022.html

ふと思い立って青空市用に動画制作をしたのですが、その撮影をしている最中に、
「わぁぁぁぁぁこれだ!」と思うことに遭遇したのです。
いろいろなことが、点が線になるように、ばばばばばっと結びつき、
ずーっと探し続けていたところに辿り着けたような感じでした。
しかも、それが水滴を撮影していた時だったので、縁を感じました。
「白露」ライブでは、そのお話をさせて頂こうと思っています。


そして、次は、なんと、ニュージーランドで知り合った往年の世界的スター
Zaine Griffの初来日ライブに出演させて頂きます。
Zaineからは、時々「今は何をやっているの?」などと連絡が来てはいたのですが、
こんな日が来るとは思ってもみませんでした。
おそれおおくて願わなかったことも叶ってしまう今日この頃。
ちょっと恐ろしいけれど、非常に光栄。
Hughも一緒、大学時代からの友人、西嶋君にも加わって頂けることになり、嬉しい限り。

2014_9/13 (sat)-14(sun) open18:00 start19:00
@Shinjuku Marz / 6800yen

Zaine Griff(V&G)、Hugh Nettar(G)、Miori Kuniyoshi(KB)、
Masami Nishijima(B)、Makoto Yoshihara(D)



情報はこちら
https://twitter.com/ZaineGriff_jp

そして、そして、そのZaine Griff Bandでかつてキーボードを弾いていたStephen Smallが、
9/25日_愛知芸術劇場と、28日_長野県大町体育館で、
喜多郎さんのオーケストラで指揮を振るので見に来てという連絡が入りました。
Stephenは、私に共作を申し出てくれた奇特な方。
とても才能豊かな人だなぁと思っていたのですが、さすがです。アレンジも担当しているそうです。
でも、私がZaineと演り、Stephenが喜多郎さんと演るっていうのが笑えます。
グローバルな時代ということですね。
http://www.domomusicgroup.com/kitaro/





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